閉め出された・・・. | 作成日時: Dec 23, 2005, 10:29 AM |
研究所の中で閉め出された.
危うく凍死するところだった.
研究所の建物はバッジに付いているカードキーで立ち入り制限されている.自分のディビジョンの主立った建物には立ち入り出来るが,夜8時まで.24時間アクセスを申請すれば入れるので,ずいぶん前に申請したのだが,申請システムが変わったとかで結局うやむやになっていた.アメリカ国籍を持っている人はもう少し制限が緩やかだが,セキュリティレベルによってアクセス制限があるのは同じ.
なので,夜8時以降は一旦外に出てしまうと建物に入れない.もちろん土日祝日も入れない.入りたい場合,あらかじめ許可を取っておくか,米国国籍のスタッフにエスコートして貰わないといけない.仕方が無いが,ああ面倒. |
ところが昨日,たまたまオフィスとは違う建物で実験をしており,気付けば8時近く.そろそろ夫にお迎えを頼もうと思ったが,屋内では携帯がつながらないので,屋外へ.
「携帯繋がらないんだよね〜」と思いつつ,2重ドアになっている一つめのドアを通ってふと,「今何時?」と時計を見たら8時2分.ちょっと待て!と振り返ればドアはぱったり閉まったところ.開けようとしたがもう遅い.カードキーもしっかりはねられ,閉め出されてしまった.しかも辺りに人影は無し.Oh dear!
誰か通れば良いのだが,普段から皆来るのも早いが帰るのも早い.ましてやクリスマス休暇前の木曜日.3時4時から皆いそいそ帰って行った.しかも外は霜が降りそうな寒さ.
『どうしよう!このままここで,鹿やウッドチャックと一緒にクリスマスをここで過ごすのか?!その前に凍死するって!そしたら連休明けに凍死体で発見されちゃったりして,で,地元の新聞とかに載っちゃうかも?そうなったら,ご遺体は冷凍のまま日本に送るのかしら?それって保険でカバーされるのか?!』
等々,一瞬にして悲観的想像をめぐらせた.が,そういや携帯持ってるじゃん.ていうか,携帯かけに外出たんじゃん.とすぐ気付く.
正気に戻ったところで,とりあえず夫に迎えに来てコール.すぐ行くから,と言ってくれた.ありがたや.いや,でも,2秒で来て.
夫の迎えを2重ドアの間で待とうかと思ったが,急いで来ても30分はかかるだろう.30分待つにはちょっと寒い.それに実験試料もノートも,財布も運転免許が入った鞄も弁当箱もみ〜んな建物の中.財布と免許が無いのも困るが,4日間弁当箱をオフィスに置きっぱなしもちょっと嫌.しかし相変わらず,外にも中にも人気は無し. |
そこでふと,所内でのパンクの時に助けてくれた残業保安部(勝手に命名)の存在を思い出した.確かあの一件の後,電話番号を携帯に入れた気がする・・・と見るとあった!
と言うわけで電話.ところが携帯のバッテリーが切れそう.充電したのに.
電波の届かない所に置いておくと異常に消耗するこの携帯,日中は電波を探して疲れてしまったらしい.普段からここぞと言う時に使えないことが多い.
だがかけてみると,すぐ出てくれた.オッチャンに事情を説明し,更にお姉ちゃんに事情を説明.その間にもバッテリー切れ予告の警告音が鳴っている.それでも何とか電源は持ち堪え,お姉さんがすぐエスコートに来てくれることに.
5分程して,お姉さんでっかいSUV車で到着.実は歩いて5分の距離なので,わざわざ車で来なくても,とちょっと思ったが,この際一刻も早く来て欲しかったのでその点は不問.
「ホントは8時迄に出なくちゃ駄目なのよ」と怒られつつ,実験室の荷物を回収し,自分のオフィスにも入れて貰って鞄と弁当箱も回収.
「ダンナが迎えに来るまで,中で待ってて良い?」と聞いたが,エスコート無しでは屋内に居てはいけないルール.なので,駐車場の向かいの雨風しのげる2重ドアのある建物まで連れて行ってくれる事に.行ってみると,幸い既にダンナが到着.
お姉さんにお礼と"Have a happy holiday!"を言い,無事家に帰り着いたのであった. |
追記:
ちなみにこのお姉さん,久しぶりに見た「ルール守るの大好きアメリカ人」.
所内100メートル程度の移動もちゃんとシートベルトをしないと発進しない.100メートルにごっついSUVもどうかと思ったが.とにかく感謝.
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